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名古屋地方裁判所 平成9年(行オ)1号 判決 1998年3月26日

愛知県岡崎市大平町字建石一一番地二

再審原告

吉野康治

愛知県岡崎市明大寺本町一丁目四六番地

再審被告

岡崎税務署長 山本勝巳

主文

一  再審原告の訴えを却下する。

二  再審の訴訟費用は再審原告の負担とする。

事実

一  再審原告の求めた裁判

1  名古屋地方裁判所が、平成九年六月二六日、同庁平成八年(行ウ)第三九号所得税額等の決定取消請求事件につき言い渡した判決を取り消す。

2  再審被告が芸西七年二月一三日付でした原告の平成元年分所得税の決定及び無申告加算税の賦課決定を取り消す。

3  再審被告が平成七年三月一五日付で原告に対してした督促を取り消す。

4  再審被告が平成七年九月一七日付で原告に対してした財産差押えを取り消す。

5  再審被告が平成七年九月二一日付でした配当を取り消す。

6  再審被告が平成七年九月二一日付でした充当を取り消す。

7  行政事件訴訟法二一条一項の規定によって岡崎税務署長の事務の帰属する国に対する損害賠償その他の請求に訴えを変更することを許す。

8  「再審原告を絞首刑にして財産を没収してしまえ」という政令及び「再審原告を無能力及び訴訟無能力者にして財産を競売にかけてしまえ」という政令を取り消す。

9  訴訟費用は、全て再審被告の負担とする。

二  再審原告の主張

別紙一「再審の理由」並びに別紙二及び三の各「再審事由追加申立ての理由」記載のとおり、名古屋地方裁判所平成八年(行ウ)第三九号所得税額等の決定取消請求事件につき、同裁判所が、平成九年六月二六日、言い渡した判決には、平成八年法律第一〇九号により改正前の民事訴訟法四二〇条一項七号、八号、一〇号の再審事由がある。

理由

一1  一件記録によれば、再審原告が、名古屋地方裁判所平成八年(行ウ)第三九号所得税等の決定取消請求事件(以下「本件確定事件」という。)において求めた裁判は、前記再審原告の求めた裁判のうち、2、3のみであることが認められる。

したがって、本訴において再審原告の求めた裁判のうち、4ないし8の請求は、本件確定事件の確定した終局判決に対する不服申立ではないから、それ自体失当である。

2  再審原告の求めた裁判1ないし3について

一件記録のよれば、本件確定事件につき、平成九年六月二六日、再審原告敗訴の判決があったこと、再審原告は、同月二七日、右判決正本を受領し、控訴期間経過前の同年七月八日、再審訴状を提出して本件再審の訴えを提起したこと、同月九日、裁判所書記官の電話聴取に対し、再審原告は、再審の訴えとして扱われたい旨及び控訴期間である同月一一日までに控訴する意思はない旨答えたこと(平成九年七月九日付電話聴取書)、右判決は、同月一一日の経過により確定したことが認められる。

以上によれば、再審原告は、遅くとも同年六月二七日の判決正本の送達により、その主張する再審事由を知ったものと解されるところ、上訴期間内に、右再審事由を理由として上訴しなかったのであるから、平成八年法律第一〇九号による改正前の民事訴訟法四二〇条一項但し書により、右判決に対し、右再審事由を主張して再審の訴えを提起することは許されないと解すべきである。

二  よって、再審原告の訴えは、いずれも不適法であるから却下することとし、訴訟費用の負担につき行政事件訴訟法七条、民事訴訟法六一条を適用して、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 稲田龍樹 裁判官 田中健治 裁判官 森脇江津子)

別紙一

<省略>

別紙二

<省略>

別紙三

<省略>

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